hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

ラモーンズとコステロ

1) END OF THE CENTURY
11月末に見に行った音楽ドキュメンタリー映画。あえて冷静に書くのだけれど私はこの映画の主人公、ラモーンズの大ファンである。私も含め、会場にライブ映画のようなものを期待しているファンが数多く駆けつけていた。しかし期待は見事に裏切られる。この映画はバンドってものが生まれて成功し、消滅していくまでの過程を、まったくきれいに描かず、見たまま、そのままを描いた映画なのである。その生の姿が素晴らしい。
醜いこと、悲しいこと、むなしいことが数多く描かれているため、このバンドは無名のバンドではないのかと思わせるような内容になっている。こんなにも世界中に影響を与えたバンドなのに、この内実はむなしい。
けど、これが事実なのだろう。一つのジャンルを作るってことはポップミュージックでは簡単ではないのである。パイオニアの苦労である。周りの理解はなかなか得られず、報酬は少なく、メンバーの意思統一を続けていくのは難しい。そして成功ストーリーにならないのがパンクを感じさせる。彼らはピュアな音楽が生き残りにくくなった時代に咲いた徒花だったのか。人生のハッピーエンドとは何か。考えさせられる映画だ。
映画紹介サイト http://www.miraclevoice.co.jp/ramones/index.html
Rocket to Russia


2) Elvis Costello & The Imposters〜JapanTour 2004
12/ 8 東京厚生年金会館
3年連続の来日公演。今年のバンドはかなりよく、今まで私が観た中では一番かもしれない。ロックバンドの名人芸さを見せつけられた。実は新作の” The DeliveryMan”はそんなに聴いてなかったのだけれど、ライブの演奏を聴いて聞き直したら凄く良かった(笑)。つまり充実した作品を作った後の勢いのあるツアーだったのである〜。なんだかな。選曲は新作を中心に古いの新しいのごっちゃまぜ。あれもない、これもないと思ったが、この人はもう20枚以上アルバムを出しているので仕方のないところ。調べて改めて思ったが、今年は私が聞き始めてからでも20年。彼のデビューからでも27年なのである。年のたつのは早いもんだ。彼はどんどん音楽家として深みを増していっているのだけれど、その方向性は相変わらずメチャクチャ。クラシックをやったかと思えばこんなに黒っぽくアグレッシブなロックアルバムも作る。彼に言わせると、ジャンルなんて気にしてなく、したいことをしているだけなのだということなのだろう。けどこんな縦横無尽な感じを何年も続けているミュージシャンは他にはいない。そこが彼のすごさか。来年も期待します。
Delivery Man