hirogoal’s blog

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クルピ監督!

サッカーは試合中の監督の役割、できることの割合が非常に少ないスポーツです。始まってしまえば、ハーフタイムの指示、選手交代以外に仕事はないと言ってもいいでしょう。監督として仕事の大部分は試合前の準備にあると思います。
1)チームの骨格をなす戦略(strategy)の立案、指示。
2)試合に応じた戦術(tactics)の立案、指示。
3)選手のモチベーション、コンディションの確認、維持、底上げ
などでしょうか。


その視点でクルピ監督の仕事を見た場合、今、心配なのは上に書いた 1)、2)となります。
戦略(strategy)としては新しくチームを作る上で、王道の方法をとっているように見えます。「サッカーは守備から」ということです。これは小林元監督も同じ方法を取っていたと思います。しかし取材された記事を読んでいる限り、守備の約束事という点において、ボランチを含めたディフェンスの選手たちのとまどいも伺え、少し心配になります。
攻撃はある程度の約束事ができているように思えます。レッズ戦の後半、 ドリブルをしているアドリアーノを中心に香川、乾がラインを作るように並び、前線へ進んでいるシーンがありました。結局はアドリアーノがボールをとられ、連携したプレーは見られませんでしたが、このトライアングルを核とし連携の精度を高めていく、という方針は見て取れます。サイドバックはあくまでも補助という感じですね。


今(というか昨シーズンも)クルピ監督に戦術(tactics)はあまり感じられません。目の前に起こっていることに対し、いろいろと指示をするタイプの監督に見えます。相手チームに対する事前の対策はあまりないのでしょう。昨年まではそれでもよかったのでしょうが、J1では心配です。


ついでに3)について。今のところ上手く仕事をしているように見えます。レッズ戦で石神、家永が活躍したのはその成果の一つでしょう。 アマラウのプレーも少しずつ良くなっているように感じます。このあたりブラジルで名将と呼ばれた片鱗を感じさせます。


今の日本人選手をうまく使うには「指示」の目に見える巧みさが求められます(※アントラーズを率いた場合は除く。ここはクラブ全体が大人です)。指示どおりにプレーすること関しては非常に長けている選手たちが多いからです。ただしクルピ監督がセレッソで成功した場合、このチームがアントラーズのようになってくる可能性はあります。


監督に対しては辛抱。今は自分にこう言い聞かせています。ブラジル人監督は立上りに時間がかかる。けど熟成させるのは、とても上手い人が多いのですから。たぶん(笑)