hirogoal’s blog

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史上最強の西ドイツ〜72年欧州選手権

こないだ(と言っても2ヶ月前)Aさんから72年欧州選手権のビデオを借りた。西ドイツ史上最強のチームを収めたビデオである。試合は2試合、ベスト8のイングランド対西ドイツ、決勝の西ドイツ対ソ連だ。もう何度も見ているのだが、一度ココでご紹介。
まず始めに面白かったのはイングランド戦の会場。大会はベルギーで行われたのだが、スタジアムはウェンブレーなのである。調べたところ当時はグループリーグと準決勝、決勝はベルギー、ベスト8だけはホーム&アウェイになっていたそうだ。ふ〜ん。


この大会を伝えるロンドンの新聞に西ドイツは「トータルフットボール」という言葉で紹介されていたらしい。実は74オランダ以前にこの言葉は使われていたのだ。74オランダは乱暴に言うなら守備のトータルフットボールなのだが、この西ドイツは攻撃のトータルフットボールだ。



メンバーにはベッケンバウアー、ブライトナー、ネッツァー、ハインケスゲルト・ミュラー、マイヤーときら星のごとき名前が並ぶ。
ベッケンバウアーの後方からのドリブル、それに絡むネッツアー。ネッツァーが簡単に別方向にパスを出すとそこにハインケスがいて、ハインケスのシュートのこぼれ球にゲルト・ミュラーが反応っていうシーンが何度も見られて楽しい。流れるように美しい攻撃とはこのことだという感じ。
そしてネッツァー。あれほどファンタジスタだったとは!今の日本のメディアでは上手く紹介されていない。ワンタッチ、ノールックで簡単に逆方向へはたくパス、力強くテクニカルなドリブル。逆サイドへのロングパスも早くて正確。何度も見られるベッケンバウアーとの絡みはとても美しい。74年ワールドカップに1試合しか出場しなかったため、現代において評価されることはなかなかないが、それはもったいないぞ。



決勝の最後のほうはいつの間にか観客がタッチライン沿いまで降りてきてカメラマンと一緒に観戦。笛がなったらピッチはもちろん大混乱だ。でも何のアクシデントにもならず無事に表彰式。


古き良きサッカー。昔のサッカーは今よりプレッシャーが弱いし、スピード感もないし・・・とかいう人にも是非見て欲しいぞ。(と言ってもなかなか見られないんだよな〜。これが。惜しい)