hirogoal’s blog

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All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions

熱心なファンが多いのであんまり大きな声で言えないが、ジェリー・ガルシアをホントに良いと思えるまで多少の時間が掛かった。
たぶん彼の演奏を初めて聴いたのはデッドの"Touch of Grey" ではなく、オーネット・コールマンのアルバム”Virgin Beauty ”でのギタープレーだったと思う。ピーター・バラカンさんのラジオ番組でのこと、氏の説明があったため普段なら気に留めないのに無理してギターの音を聴いていたような気がする。今聴くと非常にジェリーらしい個性的なギターの音が、鳥のように鳴くオーネットのアルトサックスの周りをぐるぐる回っている感じがして気持ちいいのだけど、まだ10代の少年にはその良さを理解することができなかった。もっと刺激的な音を求めていたのかもしれない。
それから数年の間、デッドの数々の名作をだましだまし聴いて、少しずつ不思議な音の魅力にひかれ始めていった。その長い曲に安心してゆっくりと身を任せていくと、とても気持ちいいことに気が付いたのである。その中心はジェリー・ガルシアのギター。ナチュラルな音というか、風のようなギターの音はとても美しい。初めは薄いと思われたギターリストらしい彼のボーカルも、実はそのギターの音にピタリとハマっているのだなと感心したりして。
そして2005年。デッドのボックスセットを買ったりして、もうマニアではない僕はこれで打ち止め。あんなにたくさん発売されるCD2枚組、3枚組のライブアルバムなんて全部聴けないよって思っていた。しかし再び登場、ピーター・バラカンさんの番組を紹介するHPに書かれていたジェリー・ガルシアのソロアルバムについての文章が再び火を付けた。そこには70年代、あまりにも巨大になりすぎたグレートフル・デッドで窮屈になり始めたジェリー・ガルシアがソロアルバムではリラックスして、より大らかに演奏しているとあったのである。それがもう気になって、気になって。じゃ〜全部買っちゃえと再びCD6枚組のボックスセットを購入したのである・・・。

All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions

All Good Things: Jerry Garcia Studio Sessions