やけに悲しい"ルイジアナ1927"
アーロン・ネヴィルのアルバム"Warm Your Heart"(1991年発表)に収録されたカバー曲を聴いている。"ルイジアナ1927"。
これはランディ・ニューマンが1974年に創った曲で、1927年に起こったミシシッピー川の大洪水の様子を描いている。
曲の中で「みんなで僕らを押し流そうとしている」という歌詞が繰り替えされる。"みんな"とは洪水だけではなく、大統領だったりするのが悲しい。ちなみにアーロン・ネヴィルはニューオーリンズの代表的なバンド、ネヴィル・ブラザーズのボーカリストである。
この曲は先日WOWOWで放送された"SHELTER FROM THE STORM: A CONCERT FOR GULF COAST"*1というハリケーン“カトリーナ“による被害者救済のチャリティー番組の冒頭、作曲者のランディ・ニューマンによって演奏された。ピアノを弾く彼の背中が寂しそうだった。
僕はセカンドラインのリズムに乗せてハッピーに歌われるニューオーリンズのR＆Bが大好きだ。プロフェッサー・ロングヘアー、Dr.John、ミーターズ、リー・ドーシー、ヒューイ・スミス、アラン・トゥーサン、アーマ・トーマス等々。彼らが生み出した数々の名曲たち。ホント宝の山だ。何であの土地があんなことにならなくてはならないのか。
美しいファルセットボイスで「みんなで僕らを押し流そうとしている」と歌うアーロン。ヴァン・ダイク・パークスがアレンジしたストリングスがこの重たい美しさをより際立たせており、悲しい。
