hirogoal’s blog

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男はいつも罪つくり。女はいつも共犯者……

朝、早起きしたので途中までしか見てなかったウディ・アレンのDVDを見た。
タイトルは「ウディ・アレンの重罪と軽罪」(原題 Crimes and Misdemeanors)
ウディ・アレンの重罪と軽罪 [DVD]
劇場公開中の「さよなら、さよならハリウッド」でも映画監督を演じているウディだけど、この作品もそう。けど有名映画監督ではなく売れないドキュメンタリー映画監督クリスの役。


この映画は「大人」として人生を生きる中で必要だと思いがちな考え方、哲学に疑問を投げかけ、結論は私に考えさせる。
食べるために仕方のないこと、成功するために仕方のないこと、地位を失わないために仕方のないこと、体裁を保つために仕方のないこと、「大人」の周りにはたくさんの「仕方のないこと」があるのだけど、それを選択するためにはモラルに反することもあり、苦悩することも多い。
最後にレビー教授が語る言葉にヒントがありそうだ(教授を自殺させたウディの意図は・・・・)

「我々は自分の選択を通して自分を知ります。選択こそが、その人物の総決算なのです」
「一生懸命に努力することによってシンプルなテーマから喜びを発見します。例えば家族や仕事から、そして希望から」

これがそれほど単純でないことは最後の場面になって初めて出会うクリスとジュダとの会話、仕草に表現されている。内容の濃い小説を読んでいるような映画だ。


またジュダが愛人問題で苦悩しているとき、奥さんはその理由を少しも気づかない。最後の最後のシーンまで。苦悩しても、結果、隠し通すことができる怖さ。
それに反し、クリスの恋愛(大嫌いな男に好きな人を奪われちゃう)を通じて途中で気づき、見てしまうことの辛さも描いている。果たしてどちらがいい?


それにしてもこの映画の公開当時のコピー
「男はいつも罪つくり。女はいつも共犯者……」
こりゃおもしろい。ははは・・・・・