hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

天才と奥さんとの関係

サッカーのオフシーズンはできるだけ多くの映画を観るように心がけているが、今年はホントに観たい、観にいかねばと思わせる作品が多い。それは好きなジャンルである音楽映画、伝記映画が多いからである。
今日は午後から2本鑑賞。始めに日比谷へ行きコール・ポーターの伝記映画でコステロも出演している「五線譜のラブレター De Lovely」を観た。
天才作詞作曲家のコール・ポーターの生涯をこの監督は非常に肯定的に、前向きに捉え、愛情たっぷりの表現をしている。まずそのことに感心した。ミュージカル的な表現ということではウディ・アレンの「世界中がアイ・ラブ・ユー」、ポピュラー音楽の天才を描いた映画としては「グレイス・オブ・マイ・ハート」を思い出したりしながら観ていた。
楽家の伝記を扱った映画というのは、途中ドラッグや、酒、女関係(この人の場合は男ね)で本人が駄目になるシーンが必ずあり、そこからつまらなくなることが多いのだが、この映画はそこからがまた面白かった。天才の創作の肥やしとして、それら通常マイナスと思われることが肯定的に描かれているからだ。そして孤独の表現。天才というのは孤独であることが多いのだが、なかなか本人はそれに気がつかない。この映画ではそのもどかしさを奥さんのリンダの存在を通じ上手く表現している。最終的にコールがリンダのために突き進むところは涙が出てたまらなかった。最後のシーンは泣けるよ。ホントに。あとリンダ役のアシュレイ・ジャッドの美しさや多くの有名ミュージシャンが演奏シーンで参加しているところも見どころだよ。
De-Lovely
日比谷で「五線譜のラブレター」を観た後、急いで吉祥寺に向かった。吉祥寺バウスシアターで上映されている「ソウル・サヴァイヴァー Only the Strong Survive」を観るためである。これは本当に観たい映画だった。
この映画は60年代活躍したソウル・ミュージシャンの今を追いかけたドキュメンタリー映画である。(主演格のルーファス・トーマスは2001年に死去。享年84歳)
彼らはタフだ。その姿に今聴いても心揺すぶられる演奏、楽曲のパワーの源を見た感じがした。70年代以降肥大化した音楽ビジネスに翻弄されながらも賢明に生き延びている姿。ルーファス・トーマスのDJを聞きながら、本当にいい音楽、地に着いた音楽はいつまでもそこにあるのだ、そこにはマーケティングなんて関係ないなと思った。それにしても元「サム&デイブ」のサム・ムーアの話にはびっくり。あれだけのスターが70年代には路上でドラッグの売人をしていたなんて。彼を立ち直らせた怪しい感じの奥さんのパワーにもソウルを感じたぞ。
ソウル、R&Bの源泉であるStax、Hiサウンドに関する貴重な映像の多さに驚くことが多かったため実は深い内容を含むこの映画の本質を見ていない気がする。何度か見直してみたい作品だ。早くDVDを買いたいぞ。
Only the Strong Survive


今日観た映画
・ 「五線譜のラブレター De Lovely」監督 アーウィン・ウィンクラー 主演 ケビン・クラインアシュレイ・ジャッド
・ 「ソウル・サヴァイヴァー」監督 D.Aベネベイカー、クリス・ヘジダス 主演ルーファス・トーマス、ウィルソン・ピケット、サム・ムーア他
今日買ったCD
・ 「Music Been Good to You」NRBQ
・ 「Spaiced With Brazil」ソニア・ローズ・ウィズ・ユウジ・オオノ