『Getz/Gilberto』と『RIO』
ボサノバとサックスといえば、スタン・ゲッツ、イパネマの娘、と連想するのは安直かもしれない。一方それはボサにハマった人には評判がよくない音でもある。
スタン・ゲッツ&クリード・テイラーがジョアン、トム・ジョビンを担ぎ出して作ったアルバムとポール・ウィンター&カルロス・リラの作ったアルバムとの差に含まれる要因は、サックスの吹き方、音の録り方、ヴィオランとの融合の仕方等々、いろいろ考えられるが、技術的なことは門外漢の僕にはどれも頷けるし、なんとも言えない面もある。
印象的にいうと室内の音楽と、室外の音楽との差。スタン・ゲッツの音も何度か聴けば自然に出てくる人間の欲のようなものが感じられて、それも味だと思える。音楽としてはどちらも良いのだ。ジョアン、ジョビン、リラ、他ブラジル勢の潔さ(に感じられる音)と古き良きアメ車のような強引さを持つ音。善良さと邪悪さが同居するアルバムと言えば魅力的でないわけがない。
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