hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

「誰が何をやってもいいんだ」と教えてくれた

12月22日はジョー・ストラマーの命日。映画『VIVA Joe Strummer』はその日まで公開だったし、The Clashの19枚組シングルボックスなんていうのも発売される。


「Rock the Casbah」から聴き始めた、ほんの少しのところで後追いだった僕にとっては、数年前までかすかに手の届かなかった感のあるミュージシャンだった。


しかし、音楽ではなく、死後数々発売されたインタビュー記事、写真からジョーの魅力が少しずつ分かってきた。恥ずかしい話、訳詞の歌詞カードを読む大切さを思い出させてくれたのもジョーである。


全力で生きる、ということをとことんまで見せつけてくれる人。ジョーの魅力はそこにある。立派なミュージシャン、ソングライターとしての能力を持っていながら、不器用なまでに自分の気持ちに真っ直ぐ行こうとする。誰かを掴みとばしてまで、踏みつぶしてまでということは全くなく、自然に引くときは引き、進むときは全力で1歩を進める。


パンクの哲学「誰が何をやってもいいんだ」という言葉を見事に体現している人というイメージも強い。The Clashのファーストアルバムからスカの要素を取り込んだりして、その音楽性には制約がなく、自由。売れるからわざと下手くそに2分程度の早すぎるロックンロールを演奏するということもせず、やりたい音楽を素直に演奏する。政治的メッセージを歌詞にするときでも、誰にはばかることなく、えこひいきをするわけでもなく、状況をつぶさに調べ、自分の気持ちを素直に書く。


ジョーは初期フジロックの存続にも貢献していたという。苗場で彼のステージを見ることができなかったのは残念。もっと早く行くんだったと後悔したり。


しかし後ろを向いてばかりじゃいけない。ジョーの遺作『Streetcore』を聴いて、前を向き、しっかりと地に足をつけて生きなくちゃと励まされる年末である。


the CLASH SINGLES '77~'85

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Clash

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ストリートコア

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