hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

オシム監督の記者会見とセルジオさんの本

生で見るつもりが酔っぱらって寝てしまい、録画予約も忘れてしまう失態。とは言え最近サッカーをまともに見ていないので、こうなるのは仕方がないのか。
さて、いつものようにオシム監督の記者会見の記事を見る。


ところで、会見の内容を詳しく知るのにはネットが便利だ。その流れをすべて載せていると思われるHPとしてはスポーツナビとJ'sGoalがある。しかし、このタイプの記事なら両方ともほとんど同じになるのではと思うのだが、実は表現が微妙に違う。どうやらどちらかが(もしくは両方が)通訳の言葉を編集して載せているようだ。脈絡の正しさ(正しくしてる?)、文章の多さからしスポーツナビがのほうが実録に近いと思われるが果たしてどうだろう。


記事を読み、ちょっと分からなかったのがブラジルスタイルについての箇所。ブラジルスタイルとは「選手が動きながらそこにボールが来ることを予測する」とオシムが話したと書かれている。そのあとパスカットのことを話しているので、それはボールの出し手、受けて両方が動きながら予測するということを表すのか?足下へのパスではなくスペースへ出すということ、受けるということをブラジルスタイルと言う?う〜ん勉強不足でよく分からない。
次の箇所も興味深い。巻のプレーの説明である。前線で(動きの少ない)MFの分も動き回り、戦うフォワードはゴール前でチャンスをもらっても集中力を欠くことがよくあると話している。これは前線でのチャンスメークにこだわる柳沢にも言えることかなとも思ったが、あえて「戦う」フォワードと話しているところが、その二人の違い、分岐点なのか。この視点は面白い。
続いてMFの話。中盤とは非常に複雑なフィールドだということだ。いろいろな示唆は読み取れるが、MFとは対戦相手によって最も変化の起こるポジションだということなのだろう。この変化への適応力がオシムの人選の基本か。
そして優れたストッパーが少ないという話。これは分かりにくい表現が多い箇所なので詳細には触れない。一つ疑問に思ったのはオシムは理想のストッパーが現れるまで、今の二人以外はそれに続くベストな人材を選ぶつもりはないのか?ということ。けが人が出たら仕方なく選ぶのだろうか。
聞きたいことはたくさんあるなぁ〜。こういったことを考えるのはホント楽しい。


さて、セルジオ越後さんの新書版の本が出た。近所の書店で見かけたので購入して読んでいるのだけど、これがまた面白い。ドイツワールドカップの日本代表、ジダンについての批判から始まるのだが、それより続く日本とブラジルのちがいが書かれている章からが面白かった。オシムと表現は違うが同じような内容がちらりと現れているのも楽しい。決定力不足解消のヒント、優秀な監督についての話などはなるほどと思わせる。
セルジオさんがいつも語っていることのポイントがまとめて書かれてあるのもよい。いい本だよ。これは。


オシム監督とセルジオさん、どちらも話が巧い。加えて、もと名選手なのだ。日本サッカーを知る海外からの論客としては随一だろう。こういう人たちがいるうちに何とかならないのかなぁって思う。ほんとに。

日本サッカーと「世界基準」 (祥伝社新書 (046))

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