hirogoal’s blog

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こういうドイツを見なきゃワールドカップって感じがしない。〜 A組 ポーランド対ドイツ 

前半から両チーム全体で激しいプレスのかけ合い。そのガツガツした強い当たりは「プレスをかける」という言葉の見本のように美しく見えた。それはまるでドイツA対ドイツBの対戦を見ているようだから。直線的な厳しさを持ったお互いのプレーはイタリア、スペインとは異なるヨーロッパサッカーのある一面を感じさせた。


前半の20分を過ぎてからバラックが徐々に良くなり、ようやく本来のプレーが見られるようになる。彼は硬直化した試合に変化をつけるためサイドチェンジのボールを何本も入れるが、ポーランドDFのポジショニング、マーキング、スライディングタックルが素晴らしいため、2本目から先が上手く繋がらない。それはポーランドもまったく同じだった。今日のドイツはセンターバックの2人が相手をよく見ており、裏へ抜けさせることを許さない。そのまま前半終了。


こういった硬直した試合の場合、どこでアクセントをつけるかが大切だ。
クリンスマンはまず右サイドに手を入れた。フリードリッヒに代えてオドンコル。彼はシュナイダーに代わり右のMFの位置に入った。(シュナイダーは右サイドバックへ)
これで試合は動いた。オドンコルは疲れのためか徐々にプレスが弱まっていたポーランドの左サイドを何度も抜いていく。しかし最後のところでCBの2人が食い止める。クリンスマンはその右サイドに賭けた。ポドルスキに代えてヌビル、シュヴァインスタイガーに代えてボロフスキー。選手交代によりポーランドのマーキングを混乱させ勢いに乗ったドイツはサイドからどんどんクロスを上げて攻め続ける。後半30分過ぎてからは退場者も出るし、今日大活躍の右MFイェレンが疲れのため走れなくなるしで、ポーランドはもうボロボロ。しかしGKポルツが最後の防波堤となり、厳しいコースのボールも何度も止めて90分が迫る。このまま引き分けでも好ゲームだな、と思ったロスタイム。
サイドを何度も駆け上がり、クロスを上げていたオドンコルの執念が実る。右サイドからDFとGKのあいだに低いクロス。それを滑り込んだヌビルが足に当ててゴール!!非常にヌビルらしいゴールでドイツが決勝点を決めた。


これぞ勝つためのサッカー。こういうドイツを見なきゃワールドカップって感じがしない。