日本映画デー(その1)〜仁義なき戦いシリーズ

偶然にも日本映画デーになった今日。計２本半の映画を見た。
まず半分と１本。”仁義なき戦い 頂上作戦”の途中、菅原文太演じる広能昌三が警察に捕まる場面から、次作”仁義なき戦い 完結篇”まで。WOWOWでハイビジョン放送されていたのを偶然見て、ハマってしまった。
このシリーズはいつか見ようと思っていたのだが、巡り合わせが悪く見れないままだった。しかし今日は見れてよかった。これは間違いなく傑作だ。今から30年以上前の作品だが、古さは全く感じない。手持ちカメラが見せるリアリティのあるバイオレンスの描き方は現代の作品に通じるものがあるし、セリフの間と音楽の入るタイミング、沈黙の使い方は見事で緊張感を作り上げている。皆がハマるというあの有名なセリフまわしは噂に違わず「聞き応え」があった。そして僕は今まで勘違いしていたのだが、実はこのシリーズ、本質は暴力がカッコイイという映画ではない。あの世界の抗争のむなしさ、どん詰まりで抜け出せない貧困の厳しさ、もどかしさというのを見事に描いているのだ。知らないことは恐ろしい。深作欣二監督ってこんなにも凄かったんだな。