hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

カエターノ・ヴェローゾ東京公演2日目〜これぞ贅沢の極み

今日が僕にとっての公演最終日。
本音を書くと、明日、国際フォーラムへ行けないのが悔しい。出張をズル休みしたいぐらいだ。
今日だって開演前のどしゃぶりの雨も気持ちよかったぐらいなんだから。
明日は奇蹟が見れる当日券もありそうなのに・・・


一緒に見に行った妹に「これってカッコイイっていうより、贅沢だよ」と言われた。
確かにカエターノの表現力、チェロの”マエストロ”ジャキス・モレレンバウム、ギターのペドロ・ヂ・サー、ルーラ・ガルヴァン、パーカッションのレオナルド・ヘイスたちの音を聴いて何も感じない方がおかしい。贅沢だけど、彼らに思考の贅肉はなく、ただ研ぎ澄まされている。そんな人たちのライブなんて滅多に聴けないぞ。
初日、二日目を通じて、観客の半分は、ただオシャレで高級感のある音楽を聴きにきましたって人だったと思う。でも途中から会場の空気が変わるのがハッキリと分かった。目の前で繰り広げられているカエターノの指揮する情景と音に観客が引っ張られていくのである。
初めは「ストップ・メイキング・センス」やローリー・アンダーソンのパフォーマンスライブに似ているなとも思ったが、すぐに全くの思い違いだと気づく。うまく言えないが、スケールの大きさ、手のひらで転がす次元が全く違うのだ。こんなライブ見たことない。誰にも分かってもらわなくていいからそっとしておいてって感じがした。
再び妹いわく、ライブを聴いているだけで、世界中を旅行している感じがしたそうだ。
最新アルバムの曲の醸し出す雰囲気が古き良きパン・アメリカン航空文化を思い出させるのか。
そう考えるとカエターノの演奏する音楽はコスモポリタンだ。2001年宇宙の旅に出てくる宇宙ステーションの中のラウンジで演奏されていても不思議じゃないな。


ブラジルに行きたい!


PS:最後のアンコール曲「TERRA」のような過激で難しい曲をあの観客に歌わせるカエターノはチャレンジャーだ。いくら有名な曲だからといってもなあ。彼の「ウタッテ!」というセリフにはヨン様も負ける!

Caetano Veloso