hirogoal’s blog

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砂漠の中のブライアン・ジョーンズ

アメリカの音楽雑誌”RollingStoneMagazine”の名はボブ・ディランの名曲「Like a Rolling Stone」から取られているのだけど、バンドの”RollingStones”はちょい違う。シカゴ・ブルースの王様マディ・ウォーターズの1950年代の名曲「Rolling Stone」から命名されているのである。その名を付けたのはバンド結成時のリーダー、ブライアン・ジョーンズ。彼は1960年代当時、誰も見向きをしなかったブルース、アメリカのルーツミュージックを愛し、それらを当時のロックと融合させることに成功した天才ミュージシャンである。
しかし60年代後半になるとバンド内の力関係の変化、自身のドラッグ中毒等により徐々にバンドの中心から外れていく。その時期に時代を超えて燦然と輝く 、 というよりは、いつの時代の音楽なのか全く分からないアルバムをストーンズが作っている。それがローリング・ストーンズブライアン・ジョーンズ在籍時最後のアルバム「ベガーズ・バンケット」である。
「Sympathy For The Devil」や「Street Fighting Man」といった今でも演奏される名曲もいいのだが、このアルバムの特徴はブライアンのスローで素晴らしいスライドギターの聴ける「No Expectations」や「Prodigal Son」のようなアコースティックなブルースが聴けることであろう。今でもこの音楽の後継者はいない。いったいどうやってこの摩訶不思議な音楽が創れたのであろうか。
ヒントはパリからやってきた映画監督にあった。
ベガーズ・バンケット