hirogoal’s blog

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この「God Give Me Strength」はもう聴けないのか 〜 エルビス・コステロライブ

全然今日のブログとは関係ないのだけど、昨晩はディランの『欲望』をかけていた。「ハリケーン」は時代性が強過ぎて今聴くとちょっと意気込み過ぎに聴こえるなとか、「イシス」は前のめりのライブヴァージョンもいいけど、ゆらゆらしているスタジオ版も酔っぱらいにはいいなとか、スカーレットリヴェラのバイオリンが入っていないスタジオヴァージョンをどれも聴いてみたいとか、曲の構造、アレンジを気に掛けながら、だらだらと聴いていた。


さて、構造、アレンジが気になるのはなぜか。やはり、その前の晩、6月2日に行われたコステロのライブに感動、感心したからである〜(ちょっと強引か)。
バックに東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ピアノはもちろん(というか、やっぱり来ていたのね)のスティーブ・ナイーブ。ベースにはグレッグ・コーエン(最近ジョン・ゾーンなんて聴いてなかったのだが、彼はTzadikレーベル系のミュージシャンとのこと。へぇ〜。)というもう2度と見られないだろうというメンバーを率いての演奏だ。
ライブは東京シティ・フィルの演奏による「IL SOGNO SUITE」から始まった。まずコステロが挨拶。その服装、雰囲気が前夜とまったく異なり、まるで映画『五線譜のラブレター』のときの演技を見ているようでおかしかった。コステロはすぐ袖に引っ込み、演奏がスタート。35分間、ガーシュウィン的な楽曲が醸し出すリラックスさせる演奏に気持ちよくなり、ちょっとウトウトしてしまったほど。
そして、コステロが登場。セミアコ1本で新作から「The River In Reverse」が演奏される。リラックスした空気をぶち破るような演奏だ。袖から客席の雰囲気を見ての判断か。そこからはオーケストラをバックに、前日とはまるで違うコステロワールド。
約1時間の第1部が終わり、20分間の休憩後に第2部がスタート。ココからスティーブがピアニストとして登場する。さて、クラシック系の編成をバックにしたアルバムとしては『Painted From Memory』、『The Juliet Letters』、『North』もちろん『My Flame Burns Blue』があるのだけど、今まではライブでそれらの曲をオーケストラをバックに聴くことはできなかった。とうとうその瞬間がやってきたのである。
初めに言おう。ホントよかった。コステロの声はオーケストラに合う。物凄くハマっているのである。この編成で再び聴く可能性がほとんどないのがホント残念。2月の公演延期については仕方がないかなと思っていたのだが、今は違う。ホントたくさん聴きたかった。2日間だった2月とせめて同じでなければ、納得しないぞ!という気持ち(笑)。そしてスティーブは素晴らしかった。彼が演奏するとすべてが引き締まる。昨晩のトゥーサンと違うジャンルのピアノ。その両方と見事にあうコステロの幅の広さに感心したりして。
コンサートのハイライトは何度もあった。「Greenshirt」のアレンジはスティーブが行った世界初公開のもの。そのフランク・ザッパを思い出させるほどのジェットコースター的なアレンジは聴くもののアタマを刺激する。そしてアンコール前の2曲。「She」と「God Give Me Strength」はもう涙が出そうなほどの美しさ。オーケストラ(ストリングス)でなければならない必然性。もうこれが聴けないかと思うと・・・。
そしてアンコールの「Alison」と「Hora Decubitus」。バックの東京シティフィル、観客をも大きく包み込むコステロワールドが展開される。楽曲のよさ、ノリノリのオーケストラのよさ、コステロの優しさ。


公演後はコステロファンの方々約15名と飲み会。みんなこのライブには納得の模様。話題はいろいろと代わりいつの間にやら始発の時間。眠たくなったので帰宅する。皆さんいつまで飲んでいたのだろう。次回は『The River In Reverse』ツアーかな。もしかしたら年内にあるかもね。そのときの飲み会を楽しみに。

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