hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

すべての自由を与えられて創られたアルバム

今晩は台風の可能性もあったため、いつも月末に行っているマッコリ飲み会も中止しお仕事。そのあと久しぶりに部長と二人で飲んだ。鮨屋で一杯して部長と別れ、新宿へ着いたらまだ11時まで30分あったのでタワレコへ。


9階のブラジル音楽コーナーですごいのを見つけた。トム・ジョビンの"inedito"である。リイシューの噂は聞いていたが、実際目の前にあると感激する。
この作品はあるブラジルの財団の依頼でジョビンが自身の60歳の誕生日を記念して作ったアルバムだ。財団からは制作費の制約なし、世界最高水準のミュージシャンを誰でも連れてきてよいなどの自由を約束されたそうだが、トムが選んだのはファミリー・バンドであるバンダ・ノーヴァの面々だったという逸話も残っている。


ピアノもチェロも夫人アナの声もホント美しい。ジョビンの味のあるボーカルもここではよりコクがある。音楽性の高いアコースティックな肌触りがとても気持ちいいアルバムだ。今からスタバに行ってコーヒーとおいしいパンを買って来たくなる衝動にかられるな(笑)
収録曲は"Wave" "Chega de Saudade" "Garota de ipanama"等々名曲だらけ。何度も聴いた曲だけど、ここで聴けるのは名曲の最高級バージョンだ。自由を与えられ、それをこんな形で上手く生かすことができる天才は何人いるのだろうか。
この名盤は一度CD化されたあと、なぜか長い間廃盤だった。世界にはまだこんな音楽がいっぱいあるんだろうな。