hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

君は菅野邦彦を知っているか?

今晩、僕は凄いピアニストを知った。その名は菅野邦彦。今年70歳になる日本のジャズピアニスト草分けの方である*1
日本に現役でこんなに黒っぽく、リズミカル(!)で芯の太い音が出せるミュージシャンがいるなんて全く知らなかった。分かりやすく言うと、映画「Ray」でおなじみのレイチャールズが若いときに出していた音と同じような音だ。世界でもああいった演奏を聴かせるミュージシャンというのはなかなかいないのではないだろうか。70歳になるのに全く枯れていない。正直言って、ショッキングな体験だった。今まで聴いたライブの中でもその音の躍動感はトップクラスに位置する。
恵比寿のライブハウスでの2部構成の演奏だったが、そのあいだの休憩時間に本人に言われた「音楽はチャレンジなんですよ」という言葉が耳に残る。本当に今でもチャレンジし続けていらっしゃる。あと、あのErroll Garner*2と親交があった話も有名らしいのだが、知らなかったので非常に驚いていると、知らなかったことに本人に驚かれた(笑)
ジャズという音楽については、楽曲を全部聴けなくても、そのミュージシャンの名だけは結構知ってると思っていた。大きな間違いだった。日本にいる、こんな天才を知らなかったなんて。まあ、それも当然かもしれない。本人はレコーディングや、ホールコンサートというのがあまり好きではないらしく、ここ数年は小さなライブハウスでの演奏しかしていないとのことである。演奏中は笑顔なのだが、その眼光は鋭い。まるでロナウジーニョみたい。そして気持ちよくたばこを吸いながら、時には左手にたばこを持ちながらピアノを弾くすがたは、優雅そのもの。ホントにかっこいいと思った。
さあ、明日は菅野邦彦のアルバムを探しに街に出かけよう。本当に楽しみだ。
フィンガー・ポッピング

*1:日本でライブアルバムというものを最初に発表した方でもある

*2:ジャズピアニスト。スタンダードの名曲「ミスティ」の作曲者