クロスロード・ギター・フェスティバル
昨年はブルースという音楽ができて100周年*1ということで様々なイベントがアメリカで開催された。けっこう盛り上がったため今年も引き続きブルースのコンサートが数多く開かれているらしい。
その中の一つと思われる”クロスロードギターフェスティバル”*2がWOWOWで放映された。このライブはただのブルースフェスティバルではない。エリック・クラプトンが創設し、ライフワークとして運営するクロスロード・センター(薬物・アルコール依存者の厚生支援施設)のために開かれたベネフィット・コンサートなのである。
このライブでは主催者でもあるエリック・クラプトンの演奏はもちろんのこと、大御所B.B.キング、バディ・ガイ、ヒューバート・サムリンや、若手のロバート・ランドルフ、ジョン・メイヤー、ロック系のカルロス・サンタナ、イーグルスのジョー・ウォルッシュ、ジェームス・テイラーなども見れる。なんて豪華な面々なんだ!
スタンドはもちろん満員。だけど、たまにテレビに映る観客を眺めると、ほとんど白人のおじさま、おばさまばかり。まあ、70年代ロック好きな人たちが一番こんな音楽を聞いているのかもしれない。
あまり見ることのない人たちの演奏が見れるのもこんなライブのよさ。映画”オー・ブラザー”の曲を演奏するダン・ティミンスキーや、クラプトンをバックにJJ・ケールが弾く”アフター・ミッドナイト”(元祖!)、思ったより遥かに若かったジョン・メイヤーの元気な演奏もよかったな。
あと面白かったところではジョー・ウォルシュなんて、もうベテランブルースマンのよう。これならイーグルス来日公演でもいい演奏が聞けそうだ。そして、いつもながらファンキーで、明るい演奏を聞かせるスライドギターのロバート・ランドルフ。ゴスペルっぽい演奏にテキサスの観客も軽い戸惑いを見せながら楽しんでいるようすが面白い。1937年ミシシッピーのグリーンウッドでロバート・ジョンソンに出会ったと語るデヴィッド・エドワーズ。90近い彼らの演奏が少しだけ流されたけど、もっと見たかった。ZZトップの長〜い、長〜い髭は白髪になっていた。何歳になってもスタイルを変えない彼らは素晴らしい。相変わらずブギな演奏もカッコ良かったな。
実は私はクラプトンの演奏自体そんなに好きではない。しかし、ブルースという音楽に向けるその探究心、研究心、愛情には感銘を覚える。それらに彼の良い人柄も加わり、こんなに凄いライブを開催することができるのだろう。
クラプトンいい仕事してるね〜。