hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

Getz/Gilberto〜食わず嫌い

ボサノバで一番有名な楽曲といえば”イパネマの娘”。ビートルズの”イエスタデイ”と並んで世界中のミュージシャンがレコーディングしている曲である。その中で世界中のDJに一番掛けられたのはこのアルバムの1曲目の”イパネマの娘”らしい。それほどこのアルバムは名盤として誇り高きアルバムなのである。
なのにこのアルバムはあまり聴いていなかった。オリジナル版のCDを買うことに抵抗があり、アナログ盤なんかを買っていたからである。掛けるのがめんどくさいのを敢えてねらった感じがする。
どうして抵抗があったかというと、数々の伝説の所為である。ジョアンがスタン・ゲッツのサックスの音に抵抗があり、ゲッツに汚い言葉を浴びせレコーディングをストップさせたとか、アストラッド・ジルベルトを売り出すためにプロデューサーがジョアンのボーカル部分をカットしたとかいろいろある。アメリカでサンバジャズとして売るため、趣向を凝らしたように感じていたから抵抗があったのだろう。
しかしこれらの抵抗感も一つの記事で吹っ飛んだ。
昨年の初来日公演の前に、ジョアン・ジルベルトは来日記念盤として再編集されたこの盤を聞いたそうだ。そしてやっとで自分が納得できる音のCDがでたと喜んでいたらしい*1
喜んでいた?このアルバムは大嫌いじゃなかったのか?不思議に思い、このGetz/Gilbertoの来日記念盤を購入し聴いてみた。
よかった!ジョアンのボーカルもしっかりときれいな音で聞こえるし、そうだよ、当たり前だよ。ジョアンがレコーディングしたもので中途半端なものなんてないよなと再確認。ようやくこの名盤が自分のものになった気がした。
もっとしっかりと自分の耳で聴いていかなくては。自分の耳を信じて。
ゲッツ/ジルベルト~スペシャル・エディション

*1:中原仁さんのHP http:/www.artenia.co.jp/ を参照