hirogoal’s blog

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高円宮杯1次ラウンド〜サンフレッチェ広島FCユースvs東海大学付属第五高校

昨年のこの時期、このグラウンド(埼玉スタジアム第2グラウンド)で衝撃的な試合を観戦している。広島ユースが東福岡高校を5−0で敗った試合である。同じ年代なのに、まるで小学生を相手にしているような感覚を覚えるほど一方的な勝利だった。その広島ユースを今年も再び見ることができた。
対戦する東海大第五は先週の試合でガンバユース相手に1−11という記録的大差で敗戦している(ちなみに広島ユースはガンバユースに1−0で勝利)試合前は広島ユースの大勝を予想していた。
しかし、結果を先に言うと3−2で広島ユースが薄氷をふむような勝利。広島の決勝点はロスタイムに入ってからである。ユース年代における精神的な面のウエイトの高さを考えさせられる試合となった。
前半、東海大第五はビビっていた。ボールタッチも自信なさげで、たまに仕掛けるカウンターもフォローが足りない。屈強の広島DF陣は赤子の手をひねるように何度もボールを奪っていく。唯一DF陣、特にきれいなラインを常に保っていた4バックの右側3人だけは高い集中力をキープし、ギリギリのところで広島ユースの攻撃を防いでいた。彼らの頑張りもあって東海大第五は前半をPKによる1点(43分)のみで終えることができた。
そして後半になりゲームの様相が変わる。少しずつ東海大第五に攻撃の形ができ始めるのである。捨て身の激しい当たりが目立つようになり、広島ユースの攻撃もうまく繋がらず単発になっていく。そして76分、東海大第五の財津が同点ゴールを決める。すると面白いことに広島ユースの動きに再びキレが戻ってきた。そして同点の3分後、広島ユースの前田がゴールを決め、再び1点差とする。だが、もう東海大第五はビビってなかった。技術的には劣るものの体を張った守りと恐れを忘れた積極性とで押し切られることを防ぐのである。そして87分、再同点のゴールを東海大第五の藤田が決める。これで引き分けかと思ったが、ユースの横綱はひと味違った。ロスタイム、途中出場の木原が右足で決勝ゴール。ここで試合終了。
東海大第五の選手は前半を上手く凌いだことで失った自信を回復したように見えた。おそらくチームの中にも大量点を取られるのではという不安はかなりあったと思う。その不安をDF陣が体を張って吹き飛ばし、流れを変えることに成功した。
体をいくら丈夫にして、技術力を高めても、中に入る”心”が弱いとプレーはダメになるのである。特にこの年代の微妙な心の動きは試合の流れ、結果を左右するのだなと思った。そしてサッカーはディフェンスからというコトバの実例をまたも見ることができた。セレッソも7点取られてる場合じゃないよ。はあ〜。