hirogoal’s blog

本と音楽とサッカーのことを書いています。

熱いコンピューター〜北島の凄さ

彼が叫んだとき、俺も叫んだ!
水を叩き付けるあの拳のパワーに彼の底知れぬスケールの大きさを感じた。
そして、もの凄い集中力が生んだ綿密な泳ぎに感心した。


平泳ぎはすべての泳ぎのなかで水に対して最も抵抗の大きい泳ぎである。
どんなに力を入れても、腿を引くときに必ず水の抵抗を受け、スピードが落ちる。
キックの力から発生する推進力と、腿を引くときのタイミングとのバランスがすべて。


そしてタッチ。うまく手を伸ばしたときにタッチ板が目の前にあればよいのだが、焦っていつものピッチとならずに計算が狂うと、手を伸ばしきった状態でスピードが落ちていくのを実感しながらタッチしなければならない。1/100秒を争う最後の最後に悲劇が待ち受ける。


北島選手はすべてを自身の計算の下に置くことに成功した。
自分のピッチ、タイミングはもちろん、ハンセンのそれをも計算して読み、超えていった北島選手。
雄叫びの中にある冷静なコンピューターこそ彼の本当の凄さである。